昨日は、シェリーのいろは① で、シェリーの一般的な造り方について書きました。
シェリーのスタイルはバラエティに富んでいて、辛口のタイプと甘口のタイプがあります。さらに、辛口だけでも、様々なタイプのものが造られています。
今日は、辛口のシェリーについてご紹介します。
辛口のシェリーは、デリケートなフィノ系と酸化熟成型のオロロソに分けることができます。
フィノ
シェリーの中では、もっともデリケートなタイプ。色合いが淡くミディアムボディのものが多いです。
熟成期間は3~4年が一般的ですが、生産者やブランドによっては、もっと長く熟成されているものもあります。
フィノシェリー用のワインの表面は、ソレラシステムでの熟成中に、シェリー特有のフロールと呼ばれる産膜酵母で覆われます。
この酵母の層のおかげで、ワインは新鮮に保たれ、空気との接触つまり酸化から守られます。
フロールは、柑橘類のアロマやアーモンド、トーストのような風味を、ワインに与えてくれます。
フィノスタイルのシェリーは、瓶詰め後は新鮮なアロマが失われてしまいます。長期熟成には向かず、出荷後はできるだけ早く楽しむのに向いています。
マンサニーリャ
フィノタイプのシェリーですが、サンルーカル・デ・パラメーダという町で熟成されたものは、マンサニーリャと呼ばれます。
サンルーカルは、大西洋岸に位置し、涼しく湿った海風が吹き付ける場所。
内陸の産地よりも、ボデガ(熟成セラー)の温度と湿度が安定しています。
その結果、フロールの発生が年間を通して安定します。
ちなみに、内陸のへレスでは、夏と冬は温度変化の影響でフロールの層が薄くなります。
結果としてできあがるマンサニーリャは、フィノが持つ酸っぱさや香ばしさを持ちますが、フィノに比べると、軽めでデリケートなスタイル。
大西洋の潮風の影響から、若干の潮気を含む味わいです。
アモンティリャード
フィノやマンサニーリャのスタイルのシェリーに、より多くのアルコールを添加したタイプ。
アルコールが増すことでフロールが死滅します。ワインの表面がフロールの層によって守られなくなるため、ワインは酸化熟成を始めます。
フィノに比べると、深い琥珀色になり、ナッツのような風味を持ちます。
通常のアモンティリャードは辛口ですが、瓶詰前に甘味を添加された反甘口のアモンティリャードは、ラベルにミディアムと記載されています。
ところで、
産膜酵母フロールは、フィノやマンサニーリャでシェリーの香りや風味に大きな影響を及ぼします。
花という意味は、花びらのようにワインの表面に浮かんでくることに由来しています。
フロールは、アルコールが15%のときに、最も活発に活動する酵母。
15%に酒精強化されたフィノやマンサニーリャは、熟成中に、フロールの膜でワインの表面が覆れます。
そのため、ワインは空気との接触から守られ、ワインの色合いが保たれます。というわけで、フィノやマンサニーリャは、淡い色調を持っています。
オロロソ
オロロソというタイプは、発酵後、アルコール18%ほどまで酒精強化されるため、フロールの膜が張りません。
17~18%のアルコールだとフロールは成長できないのです。そのため、ワインは、ずっと空気にさらされ、酸化熟成します。
色調は琥珀色になり、香りが複雑になり、力強いスタイルになります。ナッツやコーヒーのような風味を持ち、紹興酒に似たスタイルです。
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