今日は、スペインのドラドをご紹介します。
ドラドは、ルエダ地区で産み出されるシェリースタイルの酒精強化ワイン。
〈ルエダという産地〉
ルエダ地区は、首都マドリードから北西に200キロほど。標高700〜800mほどの高地にあります。
典型的な大陸性気候のため、夏は暑く冬は寒い場所です。
年間降雨量は800程度。雨が少なく乾燥しています。
〈ベルデホという品種〉
ベルデホから作られた白ワインは、フルーティだけど、酸味は穏やかです。
干し草やドライハーブ、柑橘類や白桃などの香りが特徴です。
ベルデホは、暑さに強いブドウ品種です。多くの品種は暑さによって酸を失ってしまいますが、ベルデホは暑くても酸を保つ特性があります。
夏の暑さが厳しいルエダで、人気の白ワインが作られるゆえんです。
〈アルベルトのドラド〉
シェリースタイルの酒精強化ワイン。辛口のフィノタイプです。
ルエダ地区では、1980年頃までは酒精強化ワインドラドがさかんに作られていましたが、今ではたった数軒のみ。
その中でも、伝統的な製法を継承しているのは、このアルベルトだけなのです。
〈ワインのスタイル〉
美しい黄金色。りんごの蜜のようなアロマやハーブの香りが立ち昇ります。ジャスミンを連想させる余韻も。
辛口。原料ブドウのクオリティが高いからでしょうか。芯の通ったワインです。とてもエレガント。
ボリュームがあって、余韻が非常に長いです。
大量生産された安いシェリーとは、明らかに一線を画すワインでした。