主人公のトトが、30年ぶりに故郷に戻り、幼い頃を回顧する名作。
うっとりするほど美しい映像に、改めて感銘を受けました。
舞台は、イタリアはシチリア島の貧しい村。
終戦前後のテレビもビデオもなかった時代。村の唯一の娯楽が、映画。
親に隠れて映画を見てばかりいたトトは、映画館の映写技師アルフレードと心を通わせます。
映画館シネマ・パラダイスが火事になった時に、アルフレードを瀕死の重傷から救います。
盲目になったアルフレードにかわって、映写をの仕事を始めたトト。
日常生活に見え隠れる戦争の面影。ロシア、スターリン、出兵。
終戦後、戦地から戻ったトトにアルフレードが語った言葉が印象的でした。
「人生とは、お前がみた映画とはちがう。
人生は、もっと困難なものだ。」「自分のすることを愛せ。」
「ことばではなく、目に見えるものを信じろ。」
さて、ニューシネマパラダイスには、赤ワインが2回ほど登場します。
映画館で上映中に、聴衆がキャンティらしきワインを、ボトルのまま、あおっているシーン。
ボトルは、今はもうほとんど見かけなくなりましたが、キャンティワインで有名な、フィアスコボトルです。
中身はキャンティ??
※画像は、映画に出てきたワインではありません。
この時代に、貧しいシチリアで飲まれていたのはトスカーナ地方のキャンティワインではなく
地元シチリアで作られたワインなのではないかと想像します。
もうひとつのワインシーンは、主人公トトが、映写室でワインを飲みながら映写するシーン。こちらは、グラスに入った赤ワインです。
どちらのシーンのワインも、あまりにもさりげなく出てくるので、ワインの存在を感じさせません。日常にワインが溶け込んでいるということがわかります。
最近、美味しいキャンティを飲みました。
スミレやサワーチェリーのような香りは、まさにキャンティらしいアロマ。
ジューシーというよりは、乾いたドライな印象。酸味はしっかり、渋味もそこそこ。
バランスが取れて洗練された味わいでした。
「キャンティ=安ワイン」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、時代の流れや消費者のニーズに合わせてキャンティも進化しています。しばらく飲んでいないという方は、ぜひ確かめてみてくださいね。
【映画データ】
ニュー・シネマ・パラダイス
公開年:1988年
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ(イタリア)
俳優:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ他
【画像のワインデータ】※映画に登場したワインではありません
生産者名:テヌータ・ディ・ノッツォーレ
Tenuta di Nozzole
ワイン名:ノッツォーレ キアンティ・クラッシコ
Nozzole Chianti Classico
格付け:D.O.C.G. キアンティ・クラッシコ
品種:サンジョヴェーゼ100 %
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