こんにちは!ワインの資格試験を目指す人のためのワインコーチ、川口 梓です。
先日のオンラインセッションで、ディプロマ受験生と一緒に取り組んだ、SWOT分析についてご紹介します。
サポート中の受験生が6月に受験予定の試験は、WSET®DiplomaのD2というマーケティング科目です。
ワインの試験なのですが、ワインそのものに関する試験じゃないという点がユニークですね!笑
世界のワインマーケティングが学べるので、私自身はディプロマの科目の中で、一番好きな科目でした^^
D2の概要(WSETのウェブサイトより):
D2 – Wine business
- The types of businesses engaged in wine production and the options for getting wine to the point of sale
- Factors that contribute to the price of wine
- Key considerations in wine marketing
D2 – hours of study weighting 10%
D2は、私たちの受験時代と試験形式が、大幅に変わりました。
以前(旧Unit 1のCase Study)は、試験の1カ月ほど前にざっくりとした出題テーマが公表され、それをベースにリサーチを行い、試験当日は問題にEssay形式で解答するというものでした。制限時間は、75分でした。
特定のテーマについて、1カ月かけてゴリゴリリサーチして、出題を予想し、事前に論理を組み立ててから試験当日に臨むという形式。
出題される分野については、1カ月かけてとことんリサーチするので、試験の日を迎えるころには、それはそれは詳しくなりました^^
デメリットとしては、出題される分野以外については、勉強せずに済むので、学びの範囲が限定的になることでした。
現在(D2)は、60分の制限時間内に、4~5問に解答するスタイルです。
D2のテキストを読み込んで準備しておく必要があるので、マーケティング分野を幅広く学ぶ機会になります。
テキストを暗記する必要がありますが、覚えてしてしまえばパスできるということです。
これは、その後のDiploma受験をする上でとても有益です。
なぜなら、D3(世界のスティルワイン)を突破する際には、マーケティングの理解が必須となるからです。
D1(ワイン生産)に比べたら、テキストにも専門用語がそれほど使われていないので読みやすく、取り組みやすい科目かと思います。
一方で、ワイン業界やマーケティングに携わったことがない人にはちょっと取り組みづらい科目かもしれませんね。
「テキストを読んだら、すぐにアウトプット」という流れでやってみてください。
試験当日には、問題を配られてから5分でアイデアを出せるように訓練しておくのです。
アウトプット練習するための方法として、SWOT分析を取り入れるのが有効です。
というのも、今後受験することになるD3の試験(最難関科目:世界のスティルワイン)でも、「●●についてSWOT分析しなさい」という問題が出たりするのです。
ディプロマ試験では、SWOT分析を取り入れたアプローチは必須ですので、早いうちに慣れておくと良いでしょう。
SWOT分析については、詳しくはグーグル先生に教えてもらってくださいね。
Strengthは、内部環境のプラス要因=自社の強み・活かせる強み
Weaknessは、内部環境のマイナス要因=自社の悩み・克服すべき弱み
Opportunityは、外部環境のプラス要因=チャンスとなる外部要因や市場での機会
Threatは、外部環境のマイナス要因=脅威・自社の強みを打ち消してしまう危険性のある環境の変化や競合他社の動き
今回のセッションでは受験生のかたと、実際にSWOT分析をしてみました。
『Co-operateliveについて』
Strengthes:
- 自社で小規模生産するよりも、機械の共有・資金プールの面で効率的で経済的に生産可能になる
- 専門的な知識経験を持った人を雇える
- 組合でマーケティング・パッケージング・セールスを提供できる
- 大規模な協同組合では、強いワインブランドを作れる
- 小規模な協同組合でも、独自のワインラベルを作れる
- エントリーレベルのワインを大量生産できる(ブドウを大量に調達できるから)
- メンバーのブドウを使うから、出所がはっきりしている
- ブドウを手に入れやすい
- 資金がショートすることがない
- 得られた利益で最新機器を購入することができる
Weaknesses:
- 協同組合のルールやきまりがある
- 個々の自由が少ない、意思決定に時間がかかる
- マーケティングが積極的に行われないことがある
- ブドウとワインの品質が重視されないことがある
- 栽培ブドウの出所の情報が消費者に明示されない
- 共同所有の機械を使いたいタイミングに使えないことがある
- 負担金がある
- 利益率が低いことが多い
- 売れなければ資金はショートする
- 昔ながらの伝統的な組合は、マーケティングに積極的ではない
- マーケティング費用の負担が大きい
Opportunities:
- 作ってるワインがトレンドに合っていたら売れやすい
- 名前に信用があるので、安心して買ってもらえる
- 共同組合のイメージが良くなってきた
- 生産者にとっても消費者にとっても、手ごろな価格帯でワインを販売できる
Threats:
- 天候に左右されやすい
- 消費者のイメージが悪いと売れない
- 大手ワイナリーの価格競争には勝てない
- 有名な小規模ドメーヌワインの品質には勝てない
- トレンドが変わったら売れない
アイデアが次から次へと、たくさん出てきました!
これを、試験当日に、初めの5分で自分の引き出しから出してきて、解答用紙にアウトプットできるように訓練しておくのです。しかも、英語で!
慣れないうちは、内部と外部を混同してしまうこともあります。私も未だに間違えることがあります(汗)
大切なのは、まちがえても良いから、50点でも40点でも良いから、数をたくさんこなすことです。
Specififcationで挙げられているKey Wordsについて、SWOT分析してみてください。
一人でやるより、誰かとアイデアを出し合って取り組むのが近道です。
D2の試験まで、1カ月を切りました。
D2は、D1(栽培・醸造・熟成)とはまたちがった楽しさと難しさがあります。
イギリスや他国のワインサイトなどもネットサーフィンをしながら、また、リアルなワインショップやネットショップなど、実際の販売現場をのぞいてみながら、学習を進めていってくださいね。
受験生の皆さんの挑戦を、心から応援しています!!
ワインコーチングでは、月2回のオンラインセッションで、受験生お一人お一人に応じたサポートを行っております。