今でこそ、WSETはワイン業界で有名になりました。
WSETは、世界最大の、イギリスのワイン教育機関。
Wine and Sprit Education Trustという、「ワインスクール」というよりはむしろ、「権威のあるワイン学校」です。ロンドンに本校があり、日本ではオンラインスクールを受講することができます。試験は、東京で受験可能です。
ワイン業界で仕事を始めて、10年ほど経ったある日。
ブラッシュアップのために、そろそろJSA(日本ソムリエ協会)のシニアワインアドバイザーの認定試験に挑戦してみようと思ったのです。
ワインの世界の情報は、刻一刻と変化します。
さびついてきた知識を再び磨くために、そして、世界の潮流についていくために、勉強して資格を取ろうと思ったのです。
当時は、乳飲み子を育てながら、ワインの輸入業者で会社員をしていて、マミ―トラックにはまっているという歯がゆい状況でもありました。
シニアワインアドバイザーの試験を受けようとしたところ、ある先輩からSTOPがかかりました。
どうせだったら、WSETの方に挑戦してみたら?と。
その時に初めて、WSETの存在を知りました。
確か、2010年だったと思います。
当時は、ワインの試験といえば、日本ソムリエ協会の認定試験。ソムリエ(サービス従事者)・ワインアドバイザー(流通・販売者)・ワインエキスパート(愛好家)。
ワイン業界で仕事をする人でも、WSETについて知らない人の方が多かったのです。今でもご存知ない方は少なくないですが。
チャレンジすることになった、WSETの中級試験は、試験の難易度こそ、日本ソムリエ協会の「ソムリエ」や「ワインアドバイザー」と同等だったのですが、当時は、英語で受験しないといけなかったのです。
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英語は大の苦手。。。テキストすら、満足に読めないんです。
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でも、自分の将来やキャリアアップのため、頑張りましたよ~。
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最初は、英単語を覚えるところから(笑)
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日本ソムリエ協会の試験の出題傾向として、「点」について聞かれることが多いのに対して、
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WSETの出題傾向は、点そのものではなく、点と点を結んだ「線」についての出題が多いのです。
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日本ソムリエ協会の出題は、用語や知識を問う問題が多い傾向がありますが、
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WSETの出題は、「どういうふうに?」とか「なぜ?」を文章で答えさせる問題が出るのです。
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たとえば、日本型の試験では、スパークリングワインの造り方については、主に用語が問われました。
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一方で、イギリス型のWSETの試験では、「スパークリングワインの造り方について述べよ。」なんて書いた、白紙が渡されるのです。作文を書いて論述しないといけないのです。
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典型的な日本型の試験対策、つまり暗記をメインに対策してきた私にとって、WSETの試験傾向は、ものすごく斬新でした。ただでさえ、英語のハードルがあるのに、作文や論理的思考力を必要とする試験なのです。
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そして、それは、最高に興味深い試験でした。
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点を問うのではなく、点と点で結ばれた「線」について問われるのです。
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たとえ英語力があったって、ワインを理解していないと、解ける問題ではないのです。
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かくして、WSET型の試験に面白さを感じてしまった私は、英語力アップを含めて、ハードな試験に挑むことになったのです。
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WSETに出会った頃は、まさか、上級資格(Level 4 Diploma)まで進むなんて思っていませんでした。上級資格を持っている人は、10人もいなくて、本当に神様のような存在でしたから。
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